大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和29(あ)3755 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人松尾終三郎の上告趣意第一乃至第四は結局何れも事実誤認の主張に帰し、

同第五は、原審が証拠に採つた被告人の自白調書は強制に因るものであると主張す

るが、記録に現われた資料によつては、いまだ強制自白であると疑うに足るものは

これを発見することができない。

所論はすべて刑訴四〇五条の定める適法な上告理由に当らない。また記録を精査

しても同四一一条を適用すべきものとは認められない(本件は第一審裁判所が無罪

の判決を言い渡した事件であり、またa駅より犯行現場に到着したまでの被告人の

足取りとその時間の関係、現場に到着してより出火までの時間の関係、犯行の動機、

犯行決意の時等に関し何れも微妙な問題を包含する等、原判決の事実誤認の有無に

つき、当裁判所は職権をもつて慎重調査のため弁論を開いて弁護人及び検察官の弁

論を開き、、爾来上示各点を中心として詳細検討を遂げたのであるが、結局刑訴四

一一条を適用すべきものとは認められなかつた次第である)。

よつて刑訴四一四条、三九六条により裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判

決する。

検察官 松村禎彦公判出席。

昭和三四年六月一九日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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